サーチコンソールのhttpとhttpsプロパティ混在は問題アリ?

サイトをSSL化したとき、サーチコンソールにhttpとhttpsの両方のプロパティが表示されることがあります。

これは一体どういう状況なのでしょうか?

実はこの状態、そのままにしておくとSEO評価に悪影響を及ぼす可能性があるんです。

今回はサーチコンソールでhttpとhttpsのプロパティが混在する状況について、問題点と適切な対処法をお伝えします。

サーチコンソールでhttpとhttpsプロパティが混在する理由

サーチコンソールでhttpとhttpsの両方のプロパティが表示されるのは、サイトをSSL化(https化)した際によく起こる現象です。

サーチコンソールではhttphttpsは基本的に別のサイトとして認識されるため、SSL化しただけでは2つのプロパティが存在することになってしまいます。

これは特に古いバージョンのサーチコンソールや、URLプレフィックスでの登録時に顕著です。

サーチコンソールのプロパティとは、サーチコンソール内で管理されるサイトのリストのことです。

ドメイン単位やディレクトリ単位で複数のプロパティを作成することができますが、プロパティタイプによって挙動が異なります。

「ドメイン」タイプと「URLプレフィックス」タイプの2種類があり、どちらを選択するかで混在問題への影響も変わってきます

httpsとhttpのプロパティ混在は問題なのか

結論から言うと、httpとhttpsのプロパティが混在すること自体は直接的な問題ではありませんが、放置すると間接的にSEO評価に悪影響を及ぼす可能性があります。

httphttpsが混在するサイトは「ミラーサイト」として扱われてしまうリスクがあるからです。

ミラーサイトとは、URLが異なるがコンテンツが同じサイトのことで、Googleはこれにペナルティを課すことがあります。

サーチコンソールのプロパティタイプによる違い

サーチコンソールでの混在問題は、プロパティタイプによって対応が異なります。

「ドメイン」プロパティで登録している場合は、自動的にhttphttpsの両方が計測対象となるため、特別な対応は不要です。

例えば「example.com」をドメインプロパティとして登録すると、httpとhttpsのプロトコル、wwwやその他サブドメイン、サブディレクトリすべてが含まれます。

一方、「URLプレフィックス」で登録している場合や、旧サーチコンソール(ウェブマスターツール)で登録していた場合は注意が必要です。

この場合、httphttpsは別々のサイトとして扱われるため、httpsプロパティを新たに追加する必要があります

ただし、古いhttpプロパティも、Googleのインデックスが完全に切り替わるまではすぐに削除しないほうが賢明です。

別の問題

httpとhttpsのプロパティ混在とは別に、「混在コンテンツ」という問題も存在します。

これは、httpsのページ内にhttpのリソース(画像やJavaScriptなど)が含まれている状態のことです。

混在コンテンツが存在すると、セキュリティ面でリスクがあり、ブラウザによってはセキュリティ警告が表示されることがあります。

Googleは段階的にすべての混在コンテンツをブロックする方針を発表しています。

特にChromeブラウザでは、混在コンテンツの扱いが徐々に厳しくなっています。

HTTPで配信するコンテンツがHTTPSページに混在する場合、HTTPSアルゴリズムによる恩恵を受けられなくなる可能性があるため、サイト全体のリソースをhttpsに統一することが重要です。

httpとhttpsのプロパティ混在を解決する方法

httpとhttpsのプロパティ混在問題を解決するには、いくつかの方法があります。

最も基本的な対応は、httpからhttpsへのリダイレクト設定を行い、すべてのアクセスをhttpsに統一することです。

これにより、ユーザーがhttpのURLにアクセスしても自動的にhttpsのページに転送されます。

サーチコンソール上での対応としては、プロパティセットという機能を利用する方法もあります。

これは複数のプロパティ(サイトやアプリ)を1つのグループにまとめ、グループ全体のデータを一元管理できる機能です。

プロパティセットを作成すると、httphttpsの両方のデータをまとめて確認できるようになります

ただし、最も理想的なのは、新しいサーチコンソールでドメインプロパティを利用することです。

サイトのSSL化後のサーチコンソール設定

サイトをSSL化した後のサーチコンソール設定は、以下の手順で行うのがベストです。

まず、新しくhttpsプロパティを追加する(すでにドメインプロパティを使用している場合は不要)

次に、httpからhttpsへの301リダイレクトを設定します。

301リダイレクトは恒久的なリダイレクトを意味し、SEO評価をより確実に引き継ぐことができます。

その後、Google Search Console HTTPSレポートを確認し、混在コンテンツの問題がないかチェックします。

サイト内のすべてのリソース(画像、CSSJavaScript)がhttpsで提供されているか確認し、必要に応じて修正します。

最後に、httpプロパティはしばらく残しておきますが、Googleのインデックスが完全にhttpsに切り替わったことを確認できたら削除してもOKです。

サーチコンソールのhttpとhttpsプロパティ混在は適切に対処

サーチコンソールのhttpとhttpsプロパティの混在は、プロパティタイプや対応方法によっては問題になる可能性があります。

ドメインプロパティを使用していれば混在自体は問題ありませんが、URLプレフィックスの場合は適切な対応が必要です

いずれにしても、サイト自体のhttpsへの完全移行と、httpからhttpsへのリダイレクト設定は必須と言えるでしょう。

サイトのセキュリティと検索エンジン評価のためには、プロパティの混在だけでなく混在コンテンツの問題も解決することが重要です。

SSL化は単なる見た目の問題ではなく、ユーザー体験とサイトの信頼性に直結する要素です。正しく設定して、安全で検索エンジンに評価されるサイト運営を目指しましょう。