海外旅行の強い味方「イモトのWi-Fi」。そのユニークな名前の由来をご存知ですか?
実はこの名前、社内で大反対されていた意外な歴史があるんです!
今ではすっかり定着したこのサービス名ですが、誕生の背景には社長の強い信念と、ある芸能人の海外活動が深く関わっていました。
名前に込められたヒミツを調べてみました!
1. イモトのWi-Fiってなに?
「海外行くなら、イモトのWi-Fi~」という八代亜紀さんが歌うCMでおなじみのイモトのWi-Fi。
このサービスは海外用ポケットWi-Fiのレンタルサービスとして2012年7月からスタートしました。
海外旅行や出張の際に、日本にいるときと同じようにインターネットを使えるようにするサービスです。
イモトのWi-Fiは現在、世界200か所以上の国と地域で利用可能。最近では国内向けWi-Fiサービスも展開するようになりました。
名前からもわかるとおり、イメージキャラクターは「イッテQ」で珍獣ハンターとして活躍するイモトアヤコさん。1年の半分以上を海外で過ごす(今も?)ことでも知られ、「日本一家賃を無駄にしている女」と自らを称するほど、海外に滞在することが多いタレントさんです。
サービス開始から10年以上が経ち、今や多くの人が知るブランドとなったイモトのWi-Fi。その知名度の高さは、テレビCMや広告展開だけでなく、そのキャッチーな名前も確実に影響しています。
なぜこのサービスは「イモトのWi-Fi」と名付けられたのでしょうか???
2. なぜ「イモト」?
実は「イモトのWi-Fi」という名前になる前、このサービスは「グローバルデータ」という名称でした。
当時は個人向けではなく、企業向け(BtoB)のサービスとして展開していたんです。個人向けサービスへの転換期に、マスメディア向けの新たな名称が必要になったわけです。
この名称を考えたのは、運営会社「エクスコムグローバル株式会社」の西村誠司社長。(にしたんクリニックの命名も!?)
西村社長は「芸能人でいちばん海外に行く人はだれなのか?」と考えた際に、真っ先に思い浮かんだのがイモトアヤコさんだったといいます。
それも「一択だった」と言い切るほどです。
西村社長はインタビューで「イモトのワイファイは語呂もいいし覚えやすい」と述べています。また、「彼女が山を登るだけで2時間、3時間のテレビ番組が高い視聴率を取る」「子供からおじいちゃん、おばあちゃんまで全方位で知名度があり、嫌われていない」という点も評価。当時の命名について「1ミリも成功を疑ってなかった」と自信満々だったようです。
つまり、イモトアヤコさんの「海外に行くイメージ」と「老若男女に愛される人気」が、サービス名の由来になったんですね。イモトさんは特に「イッテQ」での海外ロケで、エベレストやキリマンジャロなどの登山にチャレンジするなど、「海外へ行く人」というイメージが強かったことが大きな理由だったのです。
3. 役員全員が大反対したイモトのWi-Fi
西村社長が「イモトのWi-Fi」という名称に自信を持っていた一方で、驚くべきことに社長以外の役員全員がこの名称に反対しました。
なぜ反対だったのでしょうか?
最大の理由は、タレント名をサービスの冠につけることのリスクでした。タレントが不祥事を起こせば、サービスのイメージも一気に下がってしまいます。また、起用したタレントが旬の時期を過ぎてメディアから姿を消してしまったら、サービス自体が時代遅れと思われる恐れもあります。
さらに、「イモト」という名前が本当に顧客に受け入れられるかという不安もあったでしょう。一般的に企業のサービス名は、安全で着実なブランディングのために、個人の名前を付けることは避ける傾向があります。役員たちの反対は、ビジネス的に見れば理にかなった判断だったといえるでしょう。
しかし西村社長は、これらの懸念をよそに「イモトのWi-Fi」という名称を押し通しました。その確信は何だったのか?それは「インパクトがある名前で覚えてもらえる」「イモトさんの誠実なイメージがサービスの信頼性につながる」という見込みがあったからなのです。
4. イモトのWi-Fiは大成功!
結果はどうだったでしょうか?西村社長の決断は大正解でした。「イモトのWi-Fi」という名称にしたことで、知名度は爆発的に上昇。サービスの利用者も大幅に増加したのです。役員全員が反対したにもかかわらず、このネーミングは大成功を収めました。
空港のカウンターでは「あのイモトさんがCMに出ているから安心して選んだ」という声も多いといいます。イモトアヤコさんのポジティブなイメージが、サービスの信頼性向上に一役買っているんですね。
また興味深いのは、会社名よりもサービス名の方が認知されている点です。運営会社の「エクスコムグローバル株式会社」という名前はあまり知られていませんが、西村社長は「会社の名前は知らなくてもいい」と明言しています。ユニクロやキットカットのように、会社名ではなくブランド名で愛されることを重視しているのです。
現在では「イモトのWi-Fi」は海外Wi-Fiレンタルの代名詞とも言える存在に。他社との差別化に成功し、圧倒的なブランド力を持つサービスとなりました。タレント名を冠に付けるという冒険的な戦略が、見事に実を結んだ事例といえるでしょう。
命名はブランドの成功にめちゃくちゃ重要
「イモトのWi-Fi」という名前は、タレントのイモトアヤコさんが由来であり、西村誠司社長が命名したものでした。「芸能人でいちばん海外に行く人」というイメージと、老若男女に愛される人気を評価してのことだったんです。
役員全員が反対するという予想外の展開もありましたが、社長の決断は大成功。今やこのサービス名は多くの人が知るブランドとなり、海外Wi-Fiレンタルサービスの代表格となっています。名前に込められた戦略と社長の先見の明が、ブランドの成功を支えた大きな要因だったのです!