なんと最初は3.5インチ!歴代iPhoneの画面サイズを調べてみた

iPhoneの画面サイズは、初代から現在まで3.5インチから6.9インチへと約2倍に成長しました。

この進化には、スマートフォンの使い方の変化や技術革新が大きく影響しています。

2007年の登場から2025年現在まで、iPhoneの画面サイズはどのように変わってきたのでしょうか?

時代とともに進化してきた画面サイズの歴史を振り返ってみました!

ジョブズがこだわった「3.5インチ」

iPhoneの歴史を振り返ると、スティーブ・ジョブズが最高経営責任者(CEO)を務めていた時代、画面サイズは一貫して3.5インチでした。

2007年6月に発売された初代iPhoneは日本では発売されませんでしたが、3.5インチ、480×320ピクセル解像度、163ppiという当時としては画期的な仕様でした。

2008年に日本に初上陸したiPhone 3Gも同じく3.5インチサイズを維持。その後のiPhone 3GS(2009年)、iPhone 4(2010年)、iPhone 4S(2011年)もすべて3.5インチのままでした。

この3.5インチというサイズは、ジョブズが人間の手から導き出した「魔法のサイズ」だったといわれています。実際、片手での操作性を重視したジョブズは、彼が亡くなるまでこのサイズにこだわり続けたのです。

ただし、画質については進化が見られました。

iPhone 4からは「Retinaディスプレイ」が採用され、解像度が960×640ピクセル、326ppiへと大幅に向上。人間の目で個々のピクセルを識別できないほどの高精細ディスプレイを実現しました。

画面サイズの多様化

2011年8月、病気療養中のスティーブ・ジョブズに代わり、ティム・クックがAppleのCEOに就任します。その後、iPhoneの画面サイズは徐々に拡大していくことになりました。

2012年9月に発売されたiPhone 5では、初めて画面サイズが4インチへと拡大。アスペクト比も「3:2」から「16:9」へと変更され、ワイドスクリーン化が進みました。解像度も1136×640ピクセルになりました。

2013年に発売されたiPhone 5c/5sも同じく4インチサイズを継承。

しかし、2014年9月に登場したiPhone 6シリーズで大きな変化が起こります。
iPhone 6では4.7インチ、Plus版では5.5インチという2つのサイズが初めて展開されました

これにより、ユーザーは自分の好みや使い方に合わせて画面サイズを選べるようになったのです。

この4.7インチと5.5インチという組み合わせは、iPhone 6s/6s Plus(2015年)、iPhone 7/7 Plus(2016年)、iPhone 8/8 Plus(2017年)まで続きました。

一方で、小さいサイズを好むユーザー向けに、2016年3月には4インチの「iPhone SE(第1世代)」も登場しています。

全画面ディスプレイの登場!ホームボタンの廃止へ

2017年11月、iPhoneの歴史における大きな転換点となる「iPhone X」が登場します。ホームボタンが廃止され、画面が端から端まで広がる全画面デザインを採用。画面サイズは5.8インチとなり、アスペクト比も約19.5:9と縦長になりました。

2018年には、5.8インチの「iPhone XS」、6.1インチの「iPhone XR」、そして当時最大となる6.5インチの「iPhone XS Max」が登場し、サイズのバリエーションがさらに広がりました。
2020年には小型の5.4インチ「iPhone 12 mini」から大型の6.7インチ「iPhone 12 Pro Max」まで、4つの異なる画面サイズが展開されるようになりました。これはiPhone史上最も多様なサイズ展開となりました。

最新の2024年モデルでは、iPhone 16シリーズのラインナップとして、6.1インチ「iPhone 16/16 e」、6.7インチ「iPhone 16 Plus」、6.3インチ「iPhone 16 Pro」、そして最大となる6.9インチ「iPhone 16 Pro Max」が登場しています。

特筆すべきは、Proモデルのサイズが6.1インチから6.3インチへと拡大されたことで、今後も画面サイズの拡大傾向が続く可能性があります。

iPhoneの画面サイズはこれからどうなる?

iPhoneの画面サイズの変遷は、私たちのスマートフォンの使い方の変化を反映しています。

2008年当初、スマートフォンの平均画面サイズは3.39インチでしたが、2023年には5.87インチにまで拡大。約15年で2.48インチも大きくなりました。

この背景には、スマートフォンの使い方の多様化があります。初期のiPhoneは主に電話や基本的なウェブ閲覧、メールに使われていましたが、現在では動画視聴、ゲーム、SNS、仕事など、使用シーンが大幅に広がっています。
特に2017年のiPhone X以降、画面サイズの拡大は加速し、2020年第1四半期には平均画面サイズが5.76インチに達しました。その後は5.61〜5.87インチの間で高止まりしている状況です。

興味深いのは、小型モデルへの需要も一定数あることです。

iPhone SE各世代や12/13 miniシリーズは、コンパクトさを重視するユーザー向けに展開されました。しかし、iPhone miniシリーズの販売実績が芳しくなかったことから、現在は6.1インチが標準サイズになっています。

今後のiPhoneの画面サイズはどうなるのでしょうか?

技術的な制約や片手での操作性の限界を考えると、従来型のスマートフォンの形状では、これ以上の大幅な拡大は難しいかもしれません。

ただし、折りたたみ式や拡張可能なディスプレイなど、新しい技術の登場により、また新たな展開が期待できそうです!